当社グループは、AIの開発・提供・利用が社会・経済に大きな価値をもたらす一方で、公平性、透明性、安全性、人権尊重等の観点でリスクを内包すると認識しています。
この認識のもと、当社グループは、これまで指針として適用してきた「BIPROGYグループAI倫理指針」を発展的に見直し、「BIPROGYグループAIポリシー」を策定し、2026年9月に公開しました。本ポリシーのもと、責任あるAIの実現に向けた体制整備を進めるとともに、既存のルールの見直しや運用プロセスの高度化を通じて、AIガバナンスの体系化を進めています。また、AIに関する技術・社会・法制度の変化を継続的に把握し、倫理的・法的・社会的課題への対応に反映していきます。
あわせて、デジタル技術を通じて社会課題の解決と社会の安心・安全を支える企業として、自社利用と顧客へのAI提供の双方における責任を重要な経営課題と位置付けています。
この考え方のもと、AIの活用にあたっては、影響度の高い判断において人が適切に介在し、監督することを重視するとともに、用途や利用場面に応じた人とAIの役割分担の明確化を進めています。
さらに、AIの利活用拡大に伴うデータ処理や計算資源の利用が、エネルギー消費や温室効果ガス排出に与え得る影響にも留意しています。AIの開発・提供・利用においては、用途・特性に応じたインフラ選択や運用最適化を進めるとともに、環境負荷に配慮したデータセンター調達も意識していきます。取り組み内容は「気候変動」セクションで開示しています。
当社は、2026年4月に、代表取締役専務執行役員を最高責任者とし、その直轄の全社横断組織として「AI CoE(Center of Excellence)」を設置しました。
AI CoEは、当社グループのAI戦略の一貫性と実行力を高める中核組織として、AI戦略方針の策定および推進を統括するとともに、各領域の取り組みを横断的に支援・推進します。
AI CoEは、主に以下の機能を担います。
これらを横断的に統括することで、AI戦略の整合性・品質・実行スピードの確保を目指しています。
現在、AI CoEを中心に、関係部門と連携しながら、責任あるAIの実現に向けたルールや運用の高度化を進めています。
なお、AI戦略の進捗状況は四半期ごとに経営会議へ報告され、関連する重要事項は経営会議で審議されます。また、取締役会は、最高責任者からの報告を通じて、監督を実施しています。
AIの活用に関する全社的な推進および統括はAI CoEが担い、各AI活用プロジェクトについては、担当部門および責任者を明確化し たうえで、適切な管理・運用に向けた整備を進めています。
当社グループでは、AIの活用に伴うリスクに対応するため、AIクラウドサービス利用時の申請・承認、生成AI利用ガイドラインに基づく利用可否の判定、システム開発・サービス提供における既存の審査・レビューなどを実施しています。
また、責任あるAIの実現に向け、AI CoEを中心として、AI利用ルール、データの取扱い、契約・責任分界、セキュリティなど、ビジネス遂行および社内業務の両面で必要となる事項について、関係部門と連携しながら整備を進めています。
AI CoEの設置初年度である2026年度は、関連するルールや運用の整理を進めるとともに、AI活用案件において確認・レビューすべき
観点の整理を進めています。今後は、これらの既存の取り組みを基盤としつつ、内外環境の変化も踏まえながら、案件の特性や影響度に応じた確認・審査・レビューの枠組みの充実を進めていきます。
当社グループでは、AIの活用に伴い想定される主なリスクについて、既存の事業リスクとの関連も踏まえながら、対応方針の検討を進めています。
主なリスクとして、バイアスや差別に起因する不適切な判断、誤判断・誤動作によるサービス品質への影響、個人情報や機密情報の不適切な取扱い、知的財産権に関するリスク等が挙げられます。
これらのリスクは、情報セキュリティ、システム障害、プロジェクト管理、法令・規制、知的財産権等、当社グループの事業運営における既存のリスクとも関連するものと認識しています。
適用対象や評価観点の整理を進めるとともに、既存のリスクマネジメントの枠組みとの整合を図りながら、管理プロセスの具体化に向けた検討を進めています。
また、特に高いリスクを伴うAIの活用への対応についても重要な課題と認識しています。
さらに、AIの開発・利用においては、個人情報や機密情報の保護、アクセス管理、システムの安全性確保など、情報セキュリティ上の課題にも留意しています。
当社グループでは、責任あるAIの実現に向けた従業員の理解促進を目的として、教育・啓発施策の整備を進めています。
2025年度には、グループ社員向けに外部専門家によるAIに関するオンライン勉強会を実施したほか、「BIPROGYグループAI倫理指針」の理解・浸透を目的としたeラーニングを実施しました。あわせて、サステナビリティ関連研修(eラーニング)の人権テーマにおいて、「人権とAI」に関する最新動向等について学ぶ機会を提供しています。
なお、これらの研修の受講率はそれぞれ約99%でした。
また、生成AIをはじめとするAI技術の急速な普及に伴い、当社グループでは業務や事業モデルの変化を見据え、従業員が新たな環境に適応し継続的に活躍できるよう、AIに関する知識・スキルの習得を支援しています。こうした取り組みを通じて、社員がAIを活用した提案や新事業創出に必要な能力を高め、変化する事業環境への適応力向上を図っています。
当社グループは、AI CoEの設置を契機として、経営主導のもと責任あるAIに関する体制整備および運用の高度化を段階的に進めています。
今後は、ガバナンス体制の強化、リスク管理プロセスの標準化、教育の全社展開等を通じて、責任あるAIの実装を推進していきます。
当社グループのユニアデックス株式会社は、保守サービスを支援する「サポートGAI(汎用型人工知能)チャット」の開発・提供・運用において、AIマネジメントシステムに関する国際規格「ISO/IEC 42001」の認証※を、第三者認証機関であるテュフ ラインランド ジャパン株式会社より取得しました。ISO/IEC 42001は、AIの活用に伴うリスク管理と、安全・安心なAIサービス提供を目的とした国際規格です。なお、本認証は、生成AIを利用した社内向けGAIOpsアプリケーション(サポートGAIチャット)の開発、提供、運用を対象としたものです。
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