BIPROGYグループは、気候変動など年々深刻化する環境課題の解決に対する企業への期待や要請の高まりを受け、「顧客・パートナーと共に社会課題を解決する企業」としての社会的責務を果たし、更なる成長につなげていくため、2050年を見すえた目指すべき持続可能な社会の姿と、その取り組みへの想いや方向性を示した「環境長期ビジョン 2050」を、2020年7月に公表しました。
当社グループの事業活動における環境への貢献は、自社の温室効果ガス(以下GHG)排出抑制だけでなく、ビジネスエコシステム、さらには「デジタルコモンズ」をともに構築するすべてのステークホルダーをも視野に入れたものとして捉えるべきだと考え、“ゼロエミッション社会の実現”という大きな目標を掲げています。
当社グループは、デジタルを活用した環境貢献において、カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーを促進するサービスの提供や、当社グループが構築・参加するデジタルコモンズを通じて、低炭素社会への移行に向けた連携・協働を推進しています。同時に、事業活動にともなう環境負荷の低減に向け、GHG排出量削減の施策強化を進めています。これらの取り組みにより、ゼロエミッション社会の早期実現への貢献を目指しています。
地球温暖化に起因する気象災害の激甚化など、複合的な影響により、生態系システムの安定や安全な水へのアクセスが脅かされ、現在および将来世代の生存基盤への脅威に対する危機感が強まっています。国際社会においては、今世紀半ばでのカーボンニュートラルに向けた資源の有効活用と地球環境への負荷ゼロを目指すゼロエミッションに加え、生物多様性向上への関心が高まっています。
当社グループは、「環境長期ビジョン2050」や「Vision2030」のもと、気候変動の緩和と適応や循環型経済システムの確立を目指し、環境経営の強化を図っています。事業活動におけるGHG排出量削減と、顧客へのサービス提供や当社グループが構築・参加するデジタルコモンズを通じた環境貢献により、ゼロエミッション社会の実現を目指しています。マテリアリティを軸とした取り組みのほか、顧客やパートナーとの協働や従業員の環境意識向上に向けた教育などの施策を推進しています。
当社グループは、「環境長期ビジョン2050」に掲げるゼロエミッション社会の実現には、さまざまなステークホルダーとのエンゲージメントが必要不可欠であるとの認識のもと、TCFD※1提言への賛同、RE100※2への加盟など、各種イニシアチブに積極的に参加しています。
当社グループは、「Vision2030」に掲げた持続可能な社会の実現に向けたマテリアリティを特定しています。環境分野においては、二つのマテリアリティを特定しました。2021年度よりKPIと目標を定め、取り組みを推進しています。
当マテリアリティは、カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーを促進するサービスの提供や脱炭素社会実現に向けた連携・協働を進めるとともに、事業活動にともなう環境負荷を低減することで、温室効果ガス(GHG)排出量削減への貢献を目指すためのものです。当社グループは、カーボンニュートラルやサーキュラー・エコノミーを促進する環境貢献型サービスの提供による脱炭素社会の早期実現、再生可能エネルギー調達等の事業活動低炭素化への取り組み強化による環境負荷の低減、などを通して社会的価値を創出していきます。そして、環境貢献に資するサービス収益の拡大と、気候変動に起因する事業リスクの低減によるコストの抑制が、当社グループに経済的価値を創出するものと考えています。
このような考えのもと、2021年度にモニタリング指標「ゼロエミッション達成率※」の算定ロジックを整備し、それ以来お客様や社会に対する温室効果ガス削減貢献量を見える化する取り組みや、事業活動におけるGHG 排出量の削減と環境貢献型製品・サービス提供の拡大を図っています。また2021年度より、全社横断型のプロジェクトによる気候変動関連のビジネス機会とリスクの抽出とインパクト評価を実施し、抽出したビジネス機会を事業活動に反映するとともに、気候変動リスクを当社グループのリスクマネジメントシステムに反映しています。
当マテリアリティは、人権の尊重や環境負荷低減を図ったバリューチェーンを構築・維持し、安心・安全な製品・サービスを調達・提供するためのものです。
当社グループは、各種法令や社会規範を遵守した安心・安全な製品・サービス提供による社会活動を支えるITインフラの安定化・維持、環境・社会に配慮した製品・サービスの提供によるエシカル消費普及を通した持続可能な社会の実現、などを通して社会的価値を創出していきます。お客様・取引先との信頼関係強化や優良パートナーとの関係資本強化による収益機会の拡大と、バリューチェーン全体における人権・環境負荷等に関する事業リスクの低減が、当社グループに経済的価値を創出するものと考えています。
当社グループのバリューチェーンにおいては、これまでも「グリーン調達ガイドライン」の制定やアンケート調査などを実施し、取引先との協働による環境負荷の少ない製品・サービスの調達を推進しており、2021年4月に「BIPROGYグループ サステナビリティ調達ガイドライン」を策定、公開しました。当ガイドラインは、当社グループはもとより、仕入先様、協力会社様において、環境貢献の分野でご理解と実践頂きたい内容を示しています。
このような状況のもと、2021年度よりサプライチェーンのScope3GHG 排出量を算出し、第三者の独立した保証声明書を取得のうえ対外開示しています。また、Scope3排出量を削減するために、2022年度に目標を設定しました。
以上のように、当社グループのゼロエミッションは、自身の事業活動におけるGHG排出削減への取り組みだけでなく、社会やお客様に対する事業を通じた幅広い環境貢献を目指しています。
環境長期ビジョン2050に掲げる「ゼロエミッション社会実現」に向けては、サプライチェーン全体でのGHG排出量の削減が重要であることから新たな目標として...
In order to improve the reliability of its non-financial information, the G...