BIPROGYグループが持続的に成長し、中長期的な企業価値の向上を図るためには、適正かつ有効な監視・監督のもと、経営者による健全かつ迅速な経営判断を可能とする仕組み(コーポレート・ガバナンス)が不可欠であり、当社はその構築および維持ならびに不断の改善を行います。
また、企業の存在価値が、社会に対し貢献することにあることを踏まえ、すべてのステークホルダーとの信頼関係を構築することができるよう、「ステークホルダーの声に真摯に耳を傾け、企業価値向上に努めます」を企業理念の一つとして定めるとともに、当社はこの理念に沿って事業活動を進めます。
当社は、社外取締役を含む取締役会による監督および社外監査役を含めた監査体制が経営の監視に有効と判断し、監査役会設置会社制度を採用しています。
取締役会については、市場環境の変化を踏まえた意思決定のスピードが求められることから、業界・社内の状況に精通した社内取締役を中心とし、これに加えて、豊富な経営経験や専門知識を有する人財を社外取締役として選任、より広い視野と客観性・透明性をあわせ持った意思決定および職務執行に関する監督機能の実効性確保を目指しています。
当社役員の人事・報酬に関する事項を審議・答申する、取締役会の諮問委員会。委員(取締役)3人のうち2人が独立社外取締役、委員長も独立社外取締役が務めている。決議に際しては、独立社外取締役の出席が必須、かつ出席委員の全員一致が必要。
業務執行の重要事項を決定するための意思決定機関。メンバーは、取締役を兼務する執行役員等で、原則、毎週開催。
投資 | グループの注力領域の方針に基づき事業や商品・サービスに関する計画の妥当性を審議し、投資の可否を決定。 また、当該計画の予実管理・評価を行い、必要に応じ見直しを要請 |
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ビジネス審査 | 重要な開発・サービスビジネスに対するビジネスリスクおよびその対策の妥当性の見極めと実行の可否を決定。 また、当該プロジェクト計画の予実管理・評価を行い、必要に応じ見直しを要請 |
情報システム投資 | グループの自社システムの開発・運用などについて、コスト・効果・適用技術の妥当性などを審議し、投資の可否を決定。また、当該計画の予実管理・評価を行い、必要に応じ見直しを要請 |
サステナビリティ | グループのSDGs達成に対する取り組み方針の策定、ESG観点での事業活動全体の適正性判断と活動の推進・評価を総合的に判断し、必要に応じて見直しを要請 |
環境貢献 | 環境貢献に関する対応方針の検討、環境貢献を推進するための仕組みの設計と実行状況を管理、監督 |
ソーシャル | 社会分野に関する対応方針の検討、社会分野への対応を推進するための仕組みの設計と実行状況の管理・監督および懸案事項に関する是正指示等 |
コンプライアンス | グループのコンプライアンス教育、内部通報対応などのコンプライアンス・プログラムを統括 |
リスク管理・事業継続プロジェクト | グループ経営に重大な影響を及ぼすさまざまなリスクへの対処および事業継続性の確保 |
総合セキュリティ | グループの総合セキュリティ・個人情報保護戦略を策定し、それらに基づき諸施策を検討・推進 |
生命科学研究倫理審査 | 当社における人を対象とした研究について、会社から独立した機関において、倫理的・科学的観点から研究の妥当性の審査を行い、必要に応じ見直しを要請 |
執行役員を兼務する取締役(以下、経営陣幹部)候補者については、高いモチベーションおよび倫理観を備え、当社の経営を的確かつ効率的に遂行することができる知識および経験を有している者を選定します。また、社外からの取締役候補者については、多様性を考慮しつつ、豊富な経営経験や専門知識等を有し、社外の客観的・専門的見地から経営全般についての助言および監督を行うことができる者を選定します。経営陣幹部および社外取締役候補者の選定にあたっては、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会で策定する選定基準、選定プロセスに基づき、同委員会で候補者を選定し、その答申内容を踏まえ、取締役会にて決定します。
CEOを含む経営陣幹部が、法令または定款等に違反した場合、経営陣幹部として不正、不当または背信の行為等があった場合、またはその役割・機能を十分に発揮していないと判断される場合は、取締役会において審議のうえ、相当と判断される場合には、経営陣幹部としての役職を解任するものとします。
当社グループは、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みとしてのコーポレート・ガバナンス強化のため、常に改善に取り組んでいます。
主な取り組み | 経緯・目的 | ||
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2001年 | 全般 | 執行役員制度の導入 | 経営の監督と執行の分離および業務執行の効率化 |
2004年 | 全般 | 取締役の任期を2年から1年に変更 | 機動的な経営体制の確立と取締役の責任の明確化 |
2012年 | 報酬 | 取締役(社外取締役を除く)・執行役員に業績連動型報酬制度を導入 | 業績・企業価値向上に向けた貢献意欲を高める |
2013年 | 全般 | 社外取締役比率を3分の1以上に変更(取締役9人のうち社外 3人) | 経営の透明性・客観性の向上 |
2015年 | 全般 | 「コーポレート・ガバナンスおよび内部統制原則」の制定 | コーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する 基本的な考え方およびその体制・運営方針を明確化 |
全般 | 取締役会規程の改定等 | 取締役会付議基準の見直し | |
全般 | 指名・報酬委員会の設置 | 役員人事・報酬への独立社外取締役の関与・助言の確保 | |
多様性 | 女性社外取締役を1人増員(社外取締役3人→4人) | 多角的な視点の強化 | |
全般 | 「社外取締役の独立性に関する判断基準」の策定 | 独立性に関する基準を明確化 | |
2016年 | 全般 | 独立性に関する判断基準を「社外役員の独立性に関する判断基準」に改定 | 社外監査役の独立性基準を明確化 |
後継者 | 「最高経営責任者等の後継者計画」の策定 | 持続的な成長 | |
実効性 | 取締役会の実効性評価の開始 | 取締役の機能の向上 | |
報酬 | 業績連動型賞与の導入 | 業績・企業価値向上に向けた貢献意欲を高める | |
2018年 | 後継者 | 経営リーダープログラムを開始 最高経営責任者等の後継者計画の対象を経営陣幹部に拡大 |
最高経営責任者を含む経営陣幹部候補の選抜・育成 |
実効性 | 外部専門機関を起用のうえ、2017年度の実効性評価 (第3回)を実施 | 外部専門家による客観的分析を評価に活用 | |
2019年 | 全般 | 指名・報酬委員会の委員長に社外取締役が就任 | 役員人事・報酬体系の実効性の向上 |
2020年 | 全般 | 社外取締役の選任基準・プロセスを策定 | 経営の透明性・客観性の向上 |
全般 | 指名・報酬委員会委員のうち、独立社外取締役を2人に増員 | 指名・報酬委員会の独立性・客観性等の強化 | |
実効性 | 外部専門機関を起用のうえ、2019年度の実効性評価(第5回)を実施 | 外部専門家による客観的分析を評価に活用 | |
2021年 | 報酬 | 役員報酬体系を改定(譲渡制限付株式報酬制度の導入) | 中長期業績・企業価値向上に向けた貢献意欲を高める |
全般 | 社外取締役を増員し、スキル・マトリックスを開示 | 「Vision2030」および「経営方針(2021-2023)」の実現に向けて多様な知見・経験を有する取締役・監査役を選任 | |
2022年 | 全般 | 社外取締役比率を2分の1に変更(取締役8人のうち社外4人) | 経営の透明性・客観性の向上 |
全般 | 指名・報酬委員会委員のうち独立社外取締役が過半数に(委員3人のうち社外2人) | 指名・報酬委員会の独立性・客観性等の強化 |
当社グループが目指す社会的価値創出企業への変革を図るには、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を可能にするコーポレート・ガバナンス体制の構築と運用が不可欠です。また、ビジネスエコシステムの創出にあたっては、多様なステークホルダーとの信頼関係構築によりビジネス機会を拡大することが重要であるため、取締役・監査役の多様性を確保するとともに、スピード感のある進化に向けた後継者計画も注力すべき重点項目として捉えています。さらに、こうした体制を推進していくため、企業価値の向上に向けた役員報酬制度の改善にも注力し、ガバナンス体制のさらなる充実に向けて取り組んでいます。
当社は、「Vision2030」および「経営方針(2021-2023)」の実現に必要な、多様な知見・経験を有する取締役・監査役を選任しています。
当社取締役会は、SDGs・統合経営におけるさまざまな支援実績、経営についての内外の豊富な経験・知見、ベンチャー投資・グローバルビジネスの経験、国際課税に関する知見等を有する等の多様なバックグラウンドを持つ独立社外取締役が8人中4人と、定数の50%を占めており、うち2人が女性です。なお、経営環境の変化に対応できる機動的な経営体制の確立と取締役の経営責任の明確化のため、取締役の任期は1年としています。
監査役会についても、弁護士1人を含む独立社外監査役が5人中3人と過半数を占めており、うち2人は女性を選任しています。
他社での経営経験 | 事業環境が急速に変化するなか、経営者が「経営方針(2021-2023)」のもと、的確かつ迅速な経営判断を行い、会社を社会的価値創出企業へ変革させていくためには、他社の企業経営経験や実績を持つ社外取締役による的確な助言・監督が有用である。 |
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業界知識 | 会社が「経営方針(2021-2023)」で定めた顧客DXを推進し、お客様やパートナーとともにビジネスエコシステムを拡大していくためには、ICT、DXをはじめとする情報サービス業界の豊富な知識が必須である。 |
技術/研究開発 | テクノロジーが急速に進化するなか、会社が「経営方針 (2021-2023)」で定めた顧客DXと社会DXを推進し、お客様やパートナーとともにビジネスエコシステムを拡大していくためには、先端テクノロジーを含む技術や研究に関する豊富な知見が必須である。 |
財務/会計 | 会社が透明・正確な財務報告、強固な財務基盤、持続的な企業価値向上に向けた戦略投資、適正な株主還元を配慮した資本政策を実現するにあたっては、財務・会計に関する豊富な知見が必要である。 |
法務/リスクマネジメント | 中長期的な企業価値向上を図るためには、コーポレート・ガバナンスの強化に加え、多様化・複雑化するリスクに的確かつ迅速に対応するためのリスクマネジメントが不可欠であることから、これらに関する豊富な知見が必要である。 |
ESG/サステナビリティ | 「経営方針 (2021-2023)」のもと、当社が目指す持続可能な社会を実現するためには、気候変動への対応、人財戦略、ダイバーシティ&インクルージョンを含むESG/サステナビリティ推進に関する豊富な経験や知見が求められる。 |
グローバルビジネス | お客様やパートナーとともにビジネスエコシステムを拡大していくにあたっては、ボーダーレスな視点が不可欠であることから、グローバルビジネスに関する豊富な知見が求められる。 |
当社では、持続的な企業価値向上のためには、取締役会がその機能を十分発揮し、ガバナンスの強化を図ることが重要であると考え、2016年度より毎年、前年度の取締役会の実効性について分析・評価を行い、その機能向上に努めています。
2021年度は、2020年度の取締役会の実効性評価において課題として抽出された、社外役員への情報提供の充実と迅速化、経営の本質に関わるテーマについて、取締役会のモニタリング機能を最大限に発揮するための議論の充実、指名・報酬委員会の独立性強化を掲げて取り組んできました。これらの評価結果を踏まえ、2022年度は、引き続き人財戦略やサステナビリティなどの経営の本質に関わるテーマについての議論を深めるため、社外役員への事前の情報提供をより充実させ、適切なフォローアップにより取締役会のモニタリングの実効性強化を図るとともに、グループ・グローバル戦略についての議論および計画進捗の実効的なモニタリングを行います。また、指名・報酬委員会において、より活発な議論を行うために、社外取締役の委員への情報提供の早期化・内容の充実を図るとともに、委員会での議論の取締役会への報告を充実させ、指名・報酬委員会の透明性をさらに高めるべく取り組みを進めています。
総じて高い評価となった一方、以下の指摘がありました。
総じて高い評価となっており、2021年度の対応方針に関する取り組みも進むなど、一層の改善が図られていることを確認しました。他方、取締役会の実効性のさらなる向上に向け、取り組みが必要な課題として以下の事項が挙げられました。
上記の評価結果を踏まえ、2022年度は以下の施策に取り組むことで、当社のガバナンス体制のさらなる強化に努めます。
当社では、CEO を含む経営陣幹部の選定プロセスの透明性を確保するため、独立社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会において、経営陣幹部の後継者に関する計画(サクセッション・プラン)を審議し、取締役会に報告しています。当社のサクセッション・プランでは、最高経営責任者に求められる重要な資質として、「真摯さ(integrity)」をベースとし、これに加えて「先見性・ビジョン構築力」や「洞察力・本質を見抜く力」など、7つの項目を重要なコンピテンシーとして定めています。なお、各要件の発揮度は、ビジネス環境(転換・変革期あるいは継続・拡大期)により変動すると考えています。
下記コンピテンシーの獲得・強化を図るため、社内外の経営者、有識者とのセッションの機会を設けるとともに、アセスメント、タフアサインメントを通じ、当社グループの未来を担う経営リーダー候補者のパイプラインを増強することを目的として、経営リーダーの育成プログラムを企画・実施するとともに、候補人財の可視化とモニタリングを行っています。
サクセッション・プランのもと、経営陣幹部の後継者輩出に向けた人財パイプライン構築のため、「経営リーダープログラム」を実施しています。
2021年度に導入した報酬制度では、業務執行取締役の報酬として、業績に連動する賞与と株式報酬の割合を増やし、業績目標を100%達成した場合には固定報酬、業績連動賞与(親会社の所有者に帰属する当期利益に連動)、株式報酬の割合が4︓4︓2となるように設計しています。
また、社外取締役などの非業務執行取締役については、実効性ある経営の助言・監督機能を担うため、これまでと同様、業績と連動しない固定的な月額報酬のみを支給することとしています。なお、取締役の報酬等の額の算定方法の決定に関する方針は、取締役会の諮問委員会である指名・報酬委員会で審議し、取締役会にて承認する方法にて決定しています。
役員区分 | 報酬等の総額 (百万円) |
報酬等の種類別の総額(百万円) | 対象となる 役員の員数(人) |
||
---|---|---|---|---|---|
(a)固定報酬 | (b)賞与 | (c)株式報酬 | |||
取締役 (社外取締役を除く) |
330 | 180 | 126 | 24 | 6 |
監査役 (社外監査役を除く) |
34 | 34 | - | - | 2 |
社外役員 | 71 | 71 | - | - | 9 |
固定 | 業績等に連動 | ||||
---|---|---|---|---|---|
(a)月額報酬 | (b)賞与 (短期業績連動) |
(c)譲渡制限付株式報酬 | |||
(i)在籍条件 | KPI条件 | ||||
(ii)業績指標 (中長期業績連動) |
(iii)ESG指標等 (長期業績連動) |
||||
構成割合 | 4 | 4 | 1 | 1/3 | 2/3 |
2021年度の役員報酬等については、2021年6月度の取締役会において、譲渡制限付株式報酬の発行・割り当て等の決議、および2022年5月度の取締役会において、業績連動型賞与の支給の決議を行いました。また、固定報酬の支給については、2021年5月度の取締役会において決議したところに従い支給しています。
2021年度は、役員報酬等に関する指名・報酬委員会を6回開催し、2021年度の業績連動型賞与の支給、譲渡制限付株式の発行・割り当て等について検討を行いました。
当社は、取引先との関係維持・強化により収益基盤の拡大につながるなど、当社の企業価値向上に資すると認められる場合には、当該取引先の株式を政策的に保有することがあります。株式取得に際しては、社内規程に則り取得の是非を判断し、保有後においては、毎年取締役会で保有の適否の検証を行い、縮減を進めています。その結果、一部銘柄の時価の上昇により、2021年度末の上場株式の貸借対照表上の合計額は前年度末比で増加しましたが、保有銘柄数は前年度末比3銘柄減少の24銘柄となりました。今後、政策保有株式の貸借対照表上の合計額を資本合計の10%未満とする縮減を目指しています。保有する上場株式全銘柄について、個別銘柄ごとに保有目的の持続性および事業戦略との整合性ならびに関連取引利益等の状況を踏まえ、保有の適否を取締役会にて検証しています。当社の株式を保有する政策保有株主から売却の意向が示された場合、売却を妨げることは一切行っておらず、適切に売却等に対応しています。
当社グループでは、株主・投資家の皆様へ適時適切に情報を開示するとともに、双方向のコミュニケーションを積み重ねることが公正な価値評価につながると考えており、CEO、CFOおよびコーポレート・ガバナンス推進担当役員が中心となって積極的なIR活動およびSR活動を行っています。株主・投資家からの貴重なご意見は、経営陣幹部および取締役会に対して適時に報告するよう努め、経営の改善に役立てています。
すべてに対応しています。コーポレート・ガバナンスおよび内部統制に関する詳細は、以下のWebサイトをご覧ください。
https://pr.biprogy.com/invest-j/com/governance.html
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